姥捨て山

ふきだまりのまち

ババアみを感じる

ここ最近ババアになったなって思う。些細なことに腹を立てている時に「ウワ~~~~ヒステリックババア~~~~~」と自分で自分に対して言っている。ここ最近気に入らないことも気に食わないことも納得いかないことも多いけど、それらをすべて腹の中で上手く消化しないといけない。腹を立てている人間というものは醜い、感情を思い切り暴発させるさまはみっともないと思っているところがあるから、どんなに腹がたってもとりあえず我慢。

メール文章を作成している時に、「お願い致します」の「いたします」を漢字表記にするのは慇懃無礼に当たるからやめてくれって指導をされたのがイマイチ納得行ってない。慇懃無礼って「絵を書かせていただきました」とか、特に求められてないのに自分から出しゃばってやったのに、やらせていただきました!って誰もいなかったから立候補して勝手に書いたよ!みたいな雰囲気を醸し出した物言いをされるようなときに与える負の思いの事じゃないのかと思うし、「致します」を漢字で書くのが失礼なのがイマイチ理解出来てなくて(多分お客さんからのメールが「いたします」の平仮名表記だからそれに倣えという意味なのかもしれないけど)、自分の中で上手く消化できていない。

凄くみみっちいことなんだけどこれくらいの凄いくだらないことに腹を立てている。

そんな細々しい事今までだったら何も考えずに「ふうん」でやり過ごせたのになあ、と思うと一歩ずつヒステリックババアに近づいているのではないかと思うのね。

 

アラサーに両足突っ込む前に更年期始まるのでは?と思って不安になってる

読書まとめ

冊数は少ないけど読んだやつ、読んでる途中のやつ。

 

瓶詰の地獄 (角川文庫)

瓶詰の地獄 (角川文庫)

 

 夢野久作の短編集。

この人の作品は一度読んだあとにたくさんの方角から切り込んで見ると全部違ったように見えてくるし、最初に自分が感じた物事が嘘だったんじゃないかって思えてくるから気味が悪い。

「死後の恋」「一足お先に」がお気に入りだけど、どれに対しても感じるのは、家の鍵を絞めて出てきたはずなのに「本当に鍵かけた?」って言われ続けると不安になってくるあの感覚が蘇って背中がむずむずするってこと。

海と毒薬 (新潮文庫)

海と毒薬 (新潮文庫)

 

 九州大学生生体解剖事件をモチーフにした作品。

人間の罪悪感はどこから来るのかという話。宗教を信仰している人のいう「神様からの罰が怖くないのか」と、「人からどう見られるかだけを怖がっている」という罪悪感に対する見方が対照的。

 

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

 

 「瓶詰地獄」を読んでワンクッション置いてから読もうと思ってたこの本。

読んでるけど開始100ページあたりでもう何がなんだかさっぱりだぜ…って思えてくるから不思議。脳髄をミックスジュースにされる感覚を味わいながら読んでいる。

「精神に異常をきたす」って言われてるけどなんとなくわかるなあと思う。

だって自分が今見ているものが果たして本当に正しいのか、さっき読んだ場所なのに間違ってるんじゃないかとか、自分の解釈誤りか等不安になる要素しかない。

 

山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)

山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)

 

 ドグラ・マグラ読んだら次はこれを読む。

不道徳教育講座

 

不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

 

 「あれをしてはいけない」とか「こうしなさい」という書物は沢山あるのだけれども、この本は言ってしまうと「悪いことをしなさい」というような形で書き進められている。

かと言って本当に悪いことしろということを言うているのではない。「大いに嘘をつけ」というタイトルでは以下のように締められている。

本当に嘘をつくにはお体裁をすて、体当たりで人生にぶつからねばならず、つまり一種のケタ外れの正直者でなければならないようです。

未だに自分ができていない事を指摘されてしまうので、どこか少しだけ気持ちが沈むものだとわたしは思う。できないから指摘を受けるのは当たり前なのだけれども、何よりもできないことが多すぎて劣等感を刺激されるから尚更。

読んでいて気持ちがいいのは多分、自分よりもしたがいるのだからまだ大丈夫なんだろうなあという気持ちになるからだと思う。正直その気持ちがいいことであるのか悪いことであるのかはわたしにはわからないけれど

オーダーメイド殺人クラブ

 

オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫)
 

 誰もが中学生の時に一度は患ってしまった中二病とか(特に、ヒロインの「わたしはほかの子とはちがう」と少し高いところからものを見ているところとか)、一度は食らったことがあるだろう仲がよかったと思っていた人からの爪弾きとか、善意が空回りして子供社会の中で大きな迷惑を被ってくる先生とか。

血みどろに興味をもった中学生が殺して欲しいとクラスの冴えない男子にお願いする。一週間くらい世間を騒がせるような、そんな大きなニュースになるような死に方で殺してくれと頼む。なんだかんだで理由を付けて、死から逃げようとする女の子と、思い切り相手を突っぱねて相手を殺さずにいようとする男の子の少し甘酸っぱい青春のお話だった。年を取ってしまえばそんなこともイタイ思い出として終わるのかもしれないけれど、たしかにそこには初恋とか色々なものが血みどろの中にごっちゃごちゃに詰まっているような話。そんな経験をほんの少しだけ運んできてくれるようなお話だった。

綺麗な青春ストーリーというわけでもなければ汚い青春というわけでもなく、どこにでもありがちな青春の少しイタイ一ページ。

ラストはほんの少しだけ切ないけど温かくていい話だった。冴えない男の子の徳川くんが、えっちゃんに伝えた恋の話がすごく温かい。

黒猫の三角

 

黒猫の三角 (講談社文庫)

黒猫の三角 (講談社文庫)

 

 ミステリー小説。

線形代数を知ってるともっと面白い。数字遊びと単位行列と人の思考が少し面白い。

 

ミステリー小説の感想ってどう書けばいいのか全くわからない

なんか何書いてもネタバレになっちゃうよね。

夜の国のクーパー

 

夜の国のクーパー (創元推理文庫)
 

 読了。

自分が見ているモノは実は全て違うものかも知れないし、そうかもしれない。自分が信じているものが本当は全くの別物である可能性もある。自分が真実だと思っているものを疑ってかかれという話。

猫の視点で書かれた自分の国と鉄の国との戦争、敗戦後の話を舞台にしたファンタジーだと思いきや、宮城県からなぜか流れ着いてしまった公務員のおっさんがその話を猫から聞くという、どこか現実と切って切り離せないような不思議な感触。

急加速して終了するような小説ではなくて手首でコロッと転がされるような、淡々とした進み方のお話。勢いで読み切りたいヒトには物足りないかも知れない。

わたしは好きだなあ。