読書まとめ
冊数は少ないけど読んだやつ、読んでる途中のやつ。
夢野久作の短編集。
この人の作品は一度読んだあとにたくさんの方角から切り込んで見ると全部違ったように見えてくるし、最初に自分が感じた物事が嘘だったんじゃないかって思えてくるから気味が悪い。
「死後の恋」「一足お先に」がお気に入りだけど、どれに対しても感じるのは、家の鍵を絞めて出てきたはずなのに「本当に鍵かけた?」って言われ続けると不安になってくるあの感覚が蘇って背中がむずむずするってこと。
九州大学生生体解剖事件をモチーフにした作品。
人間の罪悪感はどこから来るのかという話。宗教を信仰している人のいう「神様からの罰が怖くないのか」と、「人からどう見られるかだけを怖がっている」という罪悪感に対する見方が対照的。
「瓶詰地獄」を読んでワンクッション置いてから読もうと思ってたこの本。
読んでるけど開始100ページあたりでもう何がなんだかさっぱりだぜ…って思えてくるから不思議。脳髄をミックスジュースにされる感覚を味わいながら読んでいる。
「精神に異常をきたす」って言われてるけどなんとなくわかるなあと思う。
だって自分が今見ているものが果たして本当に正しいのか、さっき読んだ場所なのに間違ってるんじゃないかとか、自分の解釈誤りか等不安になる要素しかない。
ドグラ・マグラ読んだら次はこれを読む。
不道徳教育講座
「あれをしてはいけない」とか「こうしなさい」という書物は沢山あるのだけれども、この本は言ってしまうと「悪いことをしなさい」というような形で書き進められている。
かと言って本当に悪いことしろということを言うているのではない。「大いに嘘をつけ」というタイトルでは以下のように締められている。
本当に嘘をつくにはお体裁をすて、体当たりで人生にぶつからねばならず、つまり一種のケタ外れの正直者でなければならないようです。
未だに自分ができていない事を指摘されてしまうので、どこか少しだけ気持ちが沈むものだとわたしは思う。できないから指摘を受けるのは当たり前なのだけれども、何よりもできないことが多すぎて劣等感を刺激されるから尚更。
読んでいて気持ちがいいのは多分、自分よりもしたがいるのだからまだ大丈夫なんだろうなあという気持ちになるからだと思う。正直その気持ちがいいことであるのか悪いことであるのかはわたしにはわからないけれど
オーダーメイド殺人クラブ
誰もが中学生の時に一度は患ってしまった中二病とか(特に、ヒロインの「わたしはほかの子とはちがう」と少し高いところからものを見ているところとか)、一度は食らったことがあるだろう仲がよかったと思っていた人からの爪弾きとか、善意が空回りして子供社会の中で大きな迷惑を被ってくる先生とか。
血みどろに興味をもった中学生が殺して欲しいとクラスの冴えない男子にお願いする。一週間くらい世間を騒がせるような、そんな大きなニュースになるような死に方で殺してくれと頼む。なんだかんだで理由を付けて、死から逃げようとする女の子と、思い切り相手を突っぱねて相手を殺さずにいようとする男の子の少し甘酸っぱい青春のお話だった。年を取ってしまえばそんなこともイタイ思い出として終わるのかもしれないけれど、たしかにそこには初恋とか色々なものが血みどろの中にごっちゃごちゃに詰まっているような話。そんな経験をほんの少しだけ運んできてくれるようなお話だった。
綺麗な青春ストーリーというわけでもなければ汚い青春というわけでもなく、どこにでもありがちな青春の少しイタイ一ページ。
ラストはほんの少しだけ切ないけど温かくていい話だった。冴えない男の子の徳川くんが、えっちゃんに伝えた恋の話がすごく温かい。
ブクログをつける
多分読書感想文とかも気まぐれできっと続かないだろうから、とりあえず読んだ本だけでもチェック入れていこうと思う。あと感想らしい感想ではないけど、中身を忘れる前に何を考えながら読んだとか、そう言うのだけでも書くようにしよう。
混雑した電車に乗るのにも慣れてきて、ようやく電車の中でちょっとずつ読書ができるようになってきた。中学生の時まではもう本以外友達いませんという感じのすごくかわいそうな奴だったので、読書自体は嫌いではなかったのだけど、高校に入ってから読書する習慣がなくなり、そのまま今に至るという道を経てしまったので、とにかく読む速度が落ちていると思う。本読むときってこんなに遅かったっけって。
早く読めればいいというわけではないのだと思うけれども、文章読み込みの速度が落ちているのはドキュメント見る機会が多くあるので遅すぎるのも考えものかなと思う。とにかく読んで中身を見て外に出せる位あればきちんと読めていることになるんじゃないかなーと。
本当はハードカバーの本を読みたいのだけど、カバンの大きさ都合から文庫になった本しかかっていない。何か面白い本ないかな。最近そればかりかんがえている。