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姥捨て山

ふきだまりのまち

ツナグ

日常 読んだ

 

ツナグ (新潮文庫)

ツナグ (新潮文庫)

 

 死を描く作品はとても面白いと思う。死後の世界というものを見ている生き物はこの世の中に一匹たりとも存在しないはずだ。描かれる死後の姿、死後の世界というものは作者によって異なるものばかりであるからとても面白いと思う。前に見た想像ラジオも、死んだ男が強い後悔などの気持ちによって成仏できずに木の上にそのまま仰向けになったまま現世でラジオを送っていたし、この作品は死後の世界と生きている人の世界は全く別の世界であると描いている。

死者とまだ生きている人を一生に一度だけ繋ぐことができる使者(ツナグ)と、使者の能力を次の世代へと受け継ぐ意味でのツナグ。

親が死んだあとに親孝行したらよかったという話はよく聞くけれど、生前いくら親孝行しましたといってもいざいなくなってしまったときはきっと後悔するのだと思う。いなくなってしまえばもう、何をやりたい、あれをしたいと思ってもできないから。

死者に会うということは話したりなかったことを話すことができる、一度の後悔を挽回するチャンスになる可能性があるからすがるのかもしれない。しかし、それで満足して帰る人も居れば、余計に後悔するし下手な思いを上乗せしてしまう場合もある。何もかもがいいことばかりではないんだろうなあ。