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姥捨て山

ふきだまりのまち

想像ラジオ

 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)

 

テレビラジオ新聞インターネットが生きている人たちにあるなら、我々には悲しみがあるじゃないか、と。だからなくなったけれども悲しみを持つ余裕が今はないという人には僕の声は残念ながら届かないし、逆にひょっとしたら生きて悲しんでいる人にもこの番組は届く。

届く、と思いたい。

 震災を題材にした話。

被災者で亡くなった人の視点、直接被災しなかった人側の視点、遺族の視点。

はたまたなくなってしまった人同士の視点と様々な人の思いが錯綜している。

それぞれに感じることがあってきっとそれぞれが伝えたいことがある。死者とコミュニケーションをとることはできない、想像であれば出来るかもしれないけれど。

実際に聞こえてくるのは陽気さを装った言葉ばっかりだよ。…死者を弔って遠ざけてそれを猛スピードで忘れようとしているし、そのやりかたが社会を前進させる唯一の道みたいになってる」

それぞれの立場の人が出てきて、それぞれに悲しみと向き合う、被災しなかった人はどうやって向き合うべきなのかという苦悩、この世にまだ強い思いがあるのに波に触られてしまって死んでしまった人。そして、恋人同士の男性・女性が「死」を通して、想像の世界に思いを馳せる。この作品の想像の世界というのはもしわたしがしんだならばという話なのかもしれない。まだ一周しか読んでないからきちんと理解できていない。

「いくら耳を傾けようとしたって、溺れて水に巻かれて胸をかきむしって海水を飲んで亡くなった人の苦しみは絶対に絶対に、生きている僕らに理解できない。聞こえるなんて考えるのはとんでもない思い上がり出し、何か聞こえたところで生きるのぞみを失う瞬間の本当の恐ろしさ、悲しさなんか絶対に分かるわけがない」

そう言った人に聞こえてくる「想像ラジオ」で流れてきた音楽が、皮肉にも「三月の水」だったり。

いつからかこの国は死者を抱きしめていることができなくなった。それはなぜか?

読書感想文って難しくない?何書いていいかわかんないもん。